19年まで4連覇中の山梨学院が苦しみながら初戦を突破した。初回に先発右腕の榎谷礼央(2年)がヒットとボークで2死二塁とし、巨摩の4番宮下直己投手(3年)にスライダーを中前に運ばれ先制を許した。

その後は巨摩の先発宮下が好投。左打者の内角への制球が安定し、山梨学院は5回まで散発3安打4三振と押さえ込まれた。6回、その宮下が左手を中心に軽いけいれんの症状で降板。このアクシデントで流れが変わる。2番手奥村晃雅投手(3年)は2死を取ったがそこから制球を乱し、岩田悠聖外野手(2年)に三塁打を打たれた後、3連続押し出しを含む5連続四死球で3点を失った。

畳み掛けたい山梨学院は8回に相沢秀光内野手(2年)の2点タイムリーなどで4点を追加して、試合を決めた。

試合後の吉田洸二監督(52)は「負ける展開でしたね。今日公式戦をしてみて、この代は苦しむなと実感しました。ただ春先は練習試合でもやりたいことができず、公式戦でもできなかった。夏は練習試合ではできるようになり、公式戦ではまだできない、その差はありますね。ここから1年生以外の上級生の奮起を期待したい」と言った。

連覇がかかる点については「言われるまで忘れていました」と言って周囲を笑わせたが、終始チームへの危機感を口にした。先発の3年は2人だけ。1年が3人、2年が4人という若い布陣に「悩みましたが、こういう構成にして良かったと感じています」と、考えながらコメントした。

19年までのような固定メンバーを組めない苦しさはあるが、山梨で常勝チームを作ってきた実績があるだけに、この日のような緊迫した接戦を制していくことで力をつけ、不気味な存在になる可能性がある。