福島工が「小坂バッテリー」を軸に2年連続の夏初戦突破を決めた。須賀川桐陽を8-0の7回コールドで撃破。先発の最速137キロ右腕・小坂英斗投手(3年)が、小坂健矢捕手(3年)と息の合ったコンビで7回を4安打完封、12三振を奪う快投だった。

エース小坂英は、頼れる相棒を「健矢」と呼ぶ。7回1死から2者連続三振締め。最後の打者は力のある直球で空振り三振に仕留めた。112球の完封劇。ここまでリードしてくれた小坂健とがっちりグラブタッチを交わした。「(小坂健に)信頼を置いています。試合前に2人で『コースを意識しながら投げよう』と話していた。丁寧にコースに投げられたのが結果につながった」と胸を張った。

兄弟ではないが、いつも一緒にいる仲だ。2人は電気科に在籍。高校3年間は同じクラスで、出席番号も前後で席も近い。打順も小坂英が「5番」で、小坂健は「4番」と打線の中軸を担う。小坂英は「常日頃からずっと一緒。運命的なのかもしれません」。入学当初からの付き合いでコンビ結成3年目だ。昨秋と春は地区予選敗退。最後の夏に“大ブレーク”を誓う。

性格だけが正反対だ。小坂英は「自分はガツガツした性格なんですけど、健矢は温厚な性格。調子が悪い時でも、気分が上がるように褒めてくれる。頼りになる存在です」と笑顔を見せた。次戦は15日、昨夏の県独自大会4強の福島成蹊と対戦する。固い絆を武器に、夏の福島を勝ち上がっていく。【佐藤究】

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