3月のセンバツで4強の天理が、7回コールド勝ちで夏の初戦を快勝した。

2、5回に9番の石本紘都外野手(3年)がコンパクトな打撃で2本の適時打を放つ活躍を見せた。強打者の瀬千皓外野手(3年)も6回にスライダーを完璧にとらえて左翼に2ラン。7回に3点を奪って大勝した。

勝利の立役者は先発で背番号1をつけた左腕の森田雄斗投手(3年)だ。自己最速143キロの速球を軸に変化球も駆使して7回を1安打9奪三振無失点。中村良二監督(53)は「春からすごく調子がいい。背番号通りの活躍をしてくれた。自信を持って投げている」と評価した。同監督が就任後、県大会の背番号を選手間投票で決めてきた。今大会も、センバツで活躍した達孝太投手(3年)が背番号1の最多票を得たが故障で別メニュー期間が長く、指揮官の判断で森田に1番を託した。森田も「責任を持ってやるしかない。達の方がいいと言われないように、結果を出していくしかない」と気を引き締めた。

今秋ドラフト候補の達はセンバツの3月25日、高崎健康福祉大高崎戦は2安打完封で自己最速148キロをマーク。同29日の準々決勝・仙台育英戦で左脇腹を負傷したが、春は実戦を重ねてきた。7月11日の練習試合でも146キロを計測するなど状態を上げてきている。今大会は背番号11を背負うことになった。

この日はブルペンで投球を行い、8回から登板予定でベンチ前でキャッチボールを行っていたが、コールド勝ちで登板機会がなかった。「次の試合に向けて調整していきたい」と前を向いた。「背番号で野球をしているわけではない。(尊敬する)ダルビッシュさんと一緒。逆に自分のなかでいい」と冷静だ。大リーグのパドレスでも代名詞の背番号11を背負って今季7勝を挙げるパドレス・ダルビッシュ有投手(34)にあやかる。気合十分に言う。

「次の目標は甲子園で優勝すること。自分のベストを尽くせば、結果はついてくると思う」

センバツで躍動した達に加えて、夏は森田も充実している。投手力を高める名門が好スタートを切った。