二刀流が躍動した。相洋(神奈川)の3番二宮巧磨主将(3年)が、5打数4安打4打点を挙げ、チームの24得点5回コールド勝ちに貢献。投げては先発して3回2安打無失点でリズムを作り「ランナーを出しても慌てないで打たせて取れた」と胸を張った。

本職は、内野手。本格的な投球練習を始めたのは春の県大会が終わってからだが、迷いはなかった。「投手は自分が試合を作ってチームを乗せていくことができるポジションですから」。ベンチ入り下級生が13人と、経験の浅いチームを引っ張る主将の自覚を口にする。

思いを強くしたのは、昨夏の独自大会。2年生ながら崎元涼介内野手(3年)とともに東海大相模との決勝を経験した。「先輩のおかげで緊張しなかった」と、1安打2打点の活躍を見せたが、チームは8回に逆転を許し4点差で敗戦。19年夏の準々決勝に続き、2年連続で王者に屈した。

「3回も負けたくない。先輩たちの分も去年を超えたい」と、共に勝ち上がれば準々決勝で対決する難敵に雪辱を誓う。「横浜とか相模とかより地元の仲間たちと甲子園に行きたかった」とあえて選んだ相洋の道。まだ見ぬ聖地へ、頼れる主将が投打でけん引する。【勝部晃多】