最後の打者を空振り三振に仕留めると、実践学園・菅沼麟太郎投手(3年)はほえた。

「場面にもよりますが、チームのリズム、流れも良くなるので、2ストライクになれば、三振を取れるときは力を入れました」と、7回で8奪三振に胸を張った。2安打1失点(自責0)のコールド勝ちで、4回戦進出を決めた。

真横より、やや高い位置から腕を振る最速143キロ右腕だ。元ヤクルトで韓国代表だった林昌勇の動画を参考に、腕のしなりを磨いてきた。ただ、大会初戦となった9日の2回戦、江戸川戦で苦い経験をした。先発するも、初回に先制を許した。序盤で足がつり、早々に降板。延長の末にチームは勝ったが、先発の仕事を果たせなかった。

反省を生かし、水分補給やストレッチを、より入念に行った。さらに、前日はキャッチボールのみ。普段はブルペンで30、40球ほど投げ込むが、本番に力を蓄えた。「初回に3点、取ってくれたことで楽に投げられました。1イニング、1イニング、集中しました」とチームメートたちにも感謝しながら、勝利を喜んだ。