<高校野球山梨大会:甲府工10-0甲府東>◇15日◇3回戦◇山日YBS球場

あと1点でコールド勝ちが決まる5回2死一、二塁。甲府工は主将の上村祥雅捕手(3年)が右前にきっちり運び決着をつけた。降雨で1時間48分の中断をはさんだ長丁場も、上村は疲れた様子もなく、ニコニコしながら引き揚げてきた。手には巨人岡本和真のタオルを握り締めていた。

巨人ファンの上村は、小学生の時から巨人の選手の名前が入ったタオルを使い、野球の試合や練習で汗を拭いてきた。いわば相棒。「ヤクルト、日本ハムのタオルもあります」。タオルの本数は全部で50本以上になった。

初戦となった11日の北杜戦では、巨人の陽岱鋼タオルで試合に臨み、2打席連発の大当たり。試合後、次戦のタオルを聞かれると「岡本和真のタオルにします」と宣言。その宣言通りに「岡本和真」タオルで、この試合も2打数2安打2打点、チーム10点目を決めるヒットを放った。

「巨人ファンです。今も年間に7試合くらいは東京ドームに行ってます」。筋金入りの巨人ファンだ。お気に入りのタオルを聞くと「坂本勇人、長野久義、あっ、今は巨人じゃないんですけどね。小笠原道大…も今は日本ハムですけど」と、すらすら名前が出てきた。

次戦は準々決勝。注目の使用タオルは。「阿部慎之助です」と即答。名門甲府工の4番を打つ捕手は、球界きっての強打者キャッチャー阿部慎之助のタオルを選んだ。いいセンスをしている。【井上真】