国士舘・清水武蔵内野手(3年)の顔には、悔しさがにじんだ。

1点を追う5回2死二、三塁。絶好機で中飛に倒れた。「欲を出して、でかいのを狙ってしまった。単打を狙っていたら(結果は)変わっていたかもしれない」。3回に一時1点差に迫る2点適時打を放っていただけに、3番打者として勝負どころでの凡退を猛省した。

地元鹿児島ではなく、東京の高校でのプレーを選んだ。「プロのスカウトの目が届くからです」。高い志を抱き、故郷を離れて必死にバットを振ってきた。永田昌弘監督(63)が「監督生活35年、右バッターで一番打てる。プロでも(ソフトバンク)今宮選手くらい活躍してもおかしくない」と評するまでに成長した。敗戦後、今後の進路を問われると「プロ1本です」と力強く言い切った。高校野球の悔しさは、大目標の舞台で晴らす。