<高校野球東東京大会:小岩7-6朋優学院>◇18日◇3回戦◇駒沢球場

 

個性的な投球フォームは、恩師と二人三脚でつかんだ。朋優学院・丸山恭輔投手(3年)は「2年夏に1番をもらったのにイップスになって、チームに貢献できませんでした。いろいろ試して、監督から言われて2カ月前に変えて、調子が良くなったんです」と明かした。ボールを持った右手を頭の後ろにスッと上げ、そのまま腕を振る。ボールの出所を見にくくする狙いもあるが、イップスの経験から、テークバックを小さくすることを選んだ。

1人で158球を投げ抜いた。9安打で7失点したが、味方のエラーが重なったもの。自責は2だけだ。与四球は10を数えながらも、ビッグイニングは招かなかった。ただ、最後はサヨナラ犠飛で敗れ、高校野球が終わった。野球を続けるか問われると「大学でやるか迷っていたんですが、悔いが残りました。だから、続けたい」と言葉を絞り出した。

丸山の奮闘を、湯原貴博監督(43)は「ベストピッチを期待してると、送り出しました。ずるずるいくことなく、気持ちを入れて抑えてくれました」とねぎらった。丸山は「1年生の頃、至らない性格で、厳しくしかってくれました。野球人生を大きく変えてくれました。感謝しかありません」と言った。監督と作ったこのフォーム。感謝を忘れずに、野球を続けていく。【古川真弥】