唐津商(佐賀)のエースで4番、原丈太郎投手(3年)が二刀流の活躍でチームをベスト4へ導いた。

背番号「1」を背負う原は、「4番・右翼」でスタメン。1-1の4回無死走者なしで、右翼席へ高校1号となる決勝ソロをたたき込んだ。

「2ボール、ノーストライクだったので、ピッチャーも絶対に(ストライクを)取りにいきたいはずと思った。自分もピッチャーだから分かる。何がきても思いきり振ろうと思った結果がつながりました。1号が出てうれしかったです」。

打撃では3試合で12打数5安打2打点1本塁打で、打率は4割1分7厘。主砲の特大ソロで勢いづき、この回5安打4得点と打者一巡の猛攻を呼んだ。

投げては8回から2番手で登板。187センチの長身左腕から投げおろす最速136キロの直球を武器に、2回無安打5奪三振の快投を見せた。投球では3試合で11回6安打21三振で防御率は2・45。エンゼルス大谷ばりに? 投打で飛躍している。

参考にしている選手の話題では、自ら「身長とか似ているので大谷選手をよく見てます」と明かした。「フォロースルーとかまねしてます。大谷選手は打ち終わりに、右肘が曲がって左肘が伸びている。それを意識して引っ張りの打球が多く、打球が伸びるようになりました」。この日の決勝アーチも両肘を意識した「大谷打法」で生まれた。今春から動画や写真で、海の向こうの二刀流をまねしてきた成果が実った。

弟の豪士郎くん(12)はカメラを持って観戦に訪れていた。試合後は高校通算1号の記念球を弟から受け取り、笑顔を見せた。「弟の前で打ててよかったです」。唐津商の二刀流が、16年以来5年ぶりの夏制覇へ引っ張る。【只松憲】

◆原丈太郎(はら・じょうたろう)2003年(平15)10月2日、佐賀県唐津市生まれ。厳木(きゅうらぎ)小2年の時に厳木少年野球クラブで野球を始める。厳木中では硬式の糸島ボーイズに所属。唐津商では1年秋からベンチ入り。足のサイズは30センチ。50メートル走7・0秒。遠投100メートル。好きな食べ物はティラミス。187センチ、85キロ。左投げ左打ち。