敗れた足立西・有馬拓投手(3年)はすがすがしかった。13安打10失点で6回コールド負けしたが「(逃げずに投げることが)できました。楽しかったです!」と力を出し切った。

第1シードの関東第一が相手。「確実に格上だけど、負けるというのはありませんでした。この1週間、関東一高を意識して、練習してきました」。2死球を与えながらも、内角を突くことをやめなかった。そうしないと抑えられないから。全ては勝つためだった。

2回までに5点を失ったが、3回、4回は走者を背負いながらも後続を断った。それでも、足も絡めた攻撃にやられ、最後は6回に自らの暴投で10点目を献上。試合が終わった。「3年間、あっという間に終わってしまいました。これから寂しいですね。毎日朝から夜まで練習して。その日常がなくなってしまう。ただただ、寂しいです」と言った。そんなエースを、芝英晃監督(45)は「褒めてやって下さい。一世一代の投球をしたと思います」と心からねぎらった。