<高校野球東東京大会:小山台8-5文京>◇25日◇4回戦◇駒沢球場

文京のエースは責任を背負い込んだ。林将吾投手(3年)は「課題のコントロールで、ばらつきが出てしまいました。自分のミスです」と、計8四死球を与えたことを悔やんだ。

178センチの長身だが、横投げの左腕だ。身長が高くないサイド左腕はいても、180センチ近くでは珍しい。もともとは一塁手。昨秋から本格的に投げ始めた。それまではスリークオーターだったが「腰の動きが真横の方が強かった」ことに気付き、サイドにした。横変化のボールが生き、制球も上がった。

だが、この日は乱れた。際どいボールは見極められた。5回途中7失点で降板。一塁に就いた。ただ、梨本浩司監督(57)は「最後は林がマウンドに立っていないと」と、8回無死一、二塁で再登板。味方の失策で1点を加えられたが、大量失点は防ぎ、その裏の4得点につなげた。自らも1死二、三塁から中前適時打。一塁に達すると、ありったけの力で叫んだ。

3点差まで追い上げたが、そこまでだった。「最後しか打つことができませんでした。自分の実力です」と唇をかんだ。自身の特性を見抜き、長身サイド左腕という希少価値を手にした。これからも生かしていくか。「いえ、大学では投手としては通用しないと思っています」と率直に言った。悔しさを残し、グラウンドを去った。【古川真弥】