敗れた岩倉・古坂虎汰朗投手(3年)は、素直に相手の力を認めた。「僕は変化球を振らせてカウントを取るタイプなんですが、すぐに対策してきて通用しなくなりました。徹底力というか、狙い球を絞られて。さすがだな、と思いました」。

第1シードの関東第一に対し、2回までは1失点でしのいだ。だが3回にフォークを見切られ、2四球を与えた。2死満塁を招き、滝川に満塁本塁打を打たれた。結局、3回0/3、7安打6失点でKOされた。

山あり谷ありの高校野球だった。1年秋に公式戦デビューしたが、制球難もあり、2年生の時は投手を離れた。外野に回り、長い距離を思いきり投げることで、体の上下の連動を身につけた。今春に投手復帰するも、春大会後に左足首を捻挫。ただ、ケガをしたことで、上体の力みを取ることを意識できた。制球が上がり、この夏は初戦からエースとして引っ張った。

「ここまできたら、自分を信じて、野手を信じて、やって来たことを出そうとしたのですが…」と涙交じりに言った。最後は「外野をやっていた時も、一番は投手をしたかった。最後、投げて終われたのは、うれしく思います」と前向きに締めた。大学でも野球を続けるつもりだ。