今秋ドラフト上位候補の最速157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)の甲子園デビューは水入りとなった。ノースアジア大明桜(秋田)は4回終了時までに帯広農(北北海道)を5-0で圧倒も、雨に泣いた。雨脚が強まり、午前8時51分から9時40分まで49分間の中断を経て、09年以来の降雨ノーゲームが決定。風間は足場が悪い中でも4回打者12人に対し2四死球の無安打無失点、毎回の4奪三振、最速149キロをマークし、実力の片りんを示した。
風間の聖地初陣、ノーヒットノーランへの挑戦は幻に終わった。プレーボールの瞬間は曇り空も、試合が進むにつれて雨が強まった。雨仕様でフォームを時折変えながら右手にロジンをつけ、丁寧に55球を投じた。秋田大会で150キロ台を連発した剛腕スタイルではないが、初回に2番村中滉貴外野手(3年)を二ゴロに抑えた場面で149キロを計測。先頭を死球で出した4回は後続に直球を4球続けて犠打を封じた(結果は三振)。変化球の割合は約35%と通常よりやや多い程度だが、130キロ台とセーブ気味の直球を交えるなど、力を入れず、打たせて取る省エネ投球だった。
ぬかるんだマウンドでも落ち着いていた。「(普段は)踏み込んで投げるタイプですが、とっさにセットにしたり、投げやすいフォームで投げました」。中井稜貴捕手(3年)も「(風間は)ボールがすべることに慣れているので、リード面は安心していました」。雨が降りしきる中で練習試合を多くこなしてきた経験が生きた。
今春の県大会地区予選ではノーヒットノーランを9回無死で逃した。この日は4回まで無安打投球。偉業達成を目指したが、荒天で試合続行が不可能になった。「そういう記録もつくりたかった」と悔しがりながらも、「雨でコントロールは悪かったけど、打たせて取ることができた。ヒット0本に抑えられたのはよかった」と収穫もあった。
選手としては初めての甲子園だが、過去に2度訪れたことがある。山梨・塩山中1年時の16年8月10日、友人の父親が大曲工(秋田)OBという縁で、花咲徳栄(埼玉)戦を観戦。明桜入学前の19年センバツもスタンドから聖地の空気を味わった。あれから5年。いざマウンドに上がり、「舞台が全然違うので緊張しました」。今夏、“野球の申し子”球打が、甲子園の主役を演じる。【山田愛斗】

