球打(きゅうた)の夏が終わった。ノースアジア大明桜(秋田)の最速157キロ右腕、風間球打投手(3年)が6回6安打5四球2失点で明徳義塾(高知)に敗れた。相手打線の見極め、ファウルでの粘りに苦しみ、球数を重ねて制球も乱れた。それでも139球に魂を込め、3回に今大会最速の152キロをマークするなど150キロ台は計14球計測。今秋ドラフト上位候補で世代最速の男は、試合後にプロ志望を表明した。

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例年と比べ、高校生は投打とも候補が少ないという見方が一般的。コロナで練習や実戦が限られてきた影響も考えられる。その中で、右腕に逸材がそろう。ノースアジア大明桜(秋田)・風間球打、天理(奈良)・達孝太、市和歌山・小園健太、高知・森木大智(いずれも3年)の4投手は150キロ前後の直球を誇り、スケール感が大きい。

大学生は左腕に注目が集まる。筑波大・佐藤隼輔(仙台)関学大・黒原拓未(智弁和歌山)の両投手は、ともに最速151キロ。同150キロの西日本工大・隅田知一郎投手(波佐見)は6月の全日本大学選手権で評価を高めた。同151キロの法大・山下輝投手(木更津総合)も大型左腕として評価上昇中。秋のリーグ戦次第で上位候補に入る可能性は十分だ。

大学生野手では、東京6大学通算10本塁打の慶大・正木智也内野手(慶応)のパンチ力が抜けている。捕手では、中大・古賀悠斗(福岡大大濠)関大・久保田拓真(いずれも4年=津田学園)の2人が上位評価。

社会人では、最速154キロ右腕の三菱自動車倉敷オーシャンズ・広畑敦也投手(23=帝京大)が人気だ。