旭川地区は、旭川明成が旭川永嶺を11-0の5回コールドで下し代表決定戦に進出した。今春から指揮を執る千葉広規監督(44)の長男隆広外野手(1年)が先発登板し、3回1安打無失点。打撃でも3安打2打点と大勝に貢献した。地区2戦計8回無失点の防御率0・00。打っても4打数4安打3打点の打率10割と好調な1年生が、3年ぶり秋全道へけん引する。

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旭川明成が背番号9の1年生左腕、千葉隆広の活躍で、代表決定戦に駒を進めた。先発し3回1安打無失点で5奪三振。打っても2回2死三塁で左中間適時打を放ち、2盗塁も記録。走攻守で勢いをつけ「前の試合の初回に1本出たので、あそこで感覚がつかめた」。初戦の富良野戦は1打数1安打2四球に1犠打1盗塁。この日も3打数3安打2打点と、打率10割をキープした。

投球では監督でもある父の助言を生かした。千葉監督は旭川大高のコーチ、部長として00、03、09年夏と3度、甲子園を経験。隆広が2死から連続2四死球を与えた初回を無失点で切り抜けた後、修正点をピンポイントで指摘した。「上から下に体重移動している。後ろから前に移動するように」。隆広は2、3回は無四球で2番手石田隼太(2年)に継投。「初回はボールに指がひっかかり過ぎていたが、監督の言葉で力みが取れた」と感謝した。

同校はコロナ禍の影響で8月下旬から地区予選開幕日の9月10日まで2週間、全体練習が休止となった。自主練習期間は毎日、素振り。「低い位置で振ると楽に振ってしまう。父から『高いところで振るように』と指摘を受けた。きつかったが、今日の投手は高めが多く、効果があった」。父とキャッチボールも繰り返し「指の感覚を落とさずに済んだ」と親子ならではの“マンツーマン指導”が活躍につながった。

初戦前日の11日に全体練習を再開し、何とか代表決定戦までこぎつけた。出場辞退目前からはい上がり、千葉監督は「試合をさせていただけることがありがたい」。野球ができる喜びを胸に、全力で全道切符をつかみにいく。【永野高輔】