脱・貧打だ! 第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に出場する聖光学院(福島)が6日、いわき市内で約8時間汗を流した。走者を置いたシート打撃では伊藤遥喜内野手(2年)が、秋の鬱憤(うっぷん)を晴らす快音を連発。昨秋の公式戦チーム打率はセンバツに出場する32校中ワースト2位。「日本一」を掲げる春本番に向けて着実にパワーアップしている。

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学校がある残雪の伊達市から南に約150キロのいわきで2日間汗を流した。秋の東北大会で準優勝してから地道に打撃の強化に取り組んできた成果が出てきた。打球が甲高い金属音を残し、一直線に伸びていく。赤堀颯主将(2年)は「風の影響もありましたが、飛距離が伸びている。全体的に打力は上がっていると思います」と手応えを口にした。

昨秋は背番号「3」を背負った伊藤も「スイングの軌道を見直して、打撃面で自信を持てるようになった」。シート打撃では1打席目に中前打。2打席目に放った三塁打は右翼手の頭上を越えていった。昨秋の公式戦は打率1割4分8厘(27打数4安打)と低迷。この冬は打撃フォームを動画で徹底的に研究。先輩や同期の助言に耳を傾け、試行錯誤を繰り返してきた。

思い出の地に凱旋(がいせん)する。伊藤は大阪・摂津市出身。実家から甲子園までは、電車で50分ほど。小学3年生のころから甲子園での応援は、“夏の恒例行事”となっていた。15年夏に準優勝した仙台育英(宮城)対東海大相模(神奈川)との決勝は今でも印象に残っている。「甲子園の決勝は7回くらい見に行きました。ずっとプレーしたかった場所(甲子園)なので、センバツのレギュラーを勝ち取って、勝負の世界に入っていく」と決意を示した。憧れ続けた舞台は、勝つか負けるかの勝負の場へと変わる。

昨秋の公式戦チーム打率2割6分7厘はセンバツ出場の32校中ワースト2位。斎藤智也監督(58)は「(秋は)ないものづくしだった、ブルー貧打打線だったからね。(一冬で)上がってきてはいると思うよね。ここまで伸びてくれたかなと」と及第点を与えた。これから「強力聖光打線」へ芽吹く時を迎える。【佐藤究】