日大三が接戦を制し、4強に駒を進めた。

立役者の1人が、先発の佐藤起也投手(3年)だ。背番号20のサイドスロー左腕は、試合前のウオーミングアップ中に小倉全由監督(65)から先発を告げられた。高校に入ってからは初めてのことに「緊張して、どうにかなりそう」だった。だが、監督の「腕を振って、当たっていけ」の言葉に気持ちが楽になった。

真っすぐの球速は120キロ台だが、右打者が多い東海大菅生打線に気後れせず懐を攻めた。そこに低めに集めたスライダー、チェンジアップを交え、打たせて取った。5回1死まではノーヒットに抑えた。

2-0の6回2死走者なしから3連打を許した。1点を失い、なお一、三塁。ここで伝令から「同じように投げてきなさい」と小倉監督の言葉をもらい、続く打者を低めのチェンジアップで一飛。ピンチを脱した。7回4安打1失点で役目を果たした。

サイドスローに変えたのは1年冬。それまではオーバーだったが「自分は体も大きくないし細い(身長173センチ、体重70キロ)。上からだけでは勝負できない」と決断した。同じサイドスロー左腕の日本ハム宮西の動画も参考に、希少スタイルを磨いた。

試合は8回に同点とされたが、9回1死二塁で金沢海斗内野手(3年)が左前に決勝打を放った。好投が勝利につながった佐藤は「菅生という相手を抑えられたのは自信につながります」と笑顔だった。

 

▽小倉全由監督(佐藤に)「よく投げてくれた。紅白戦でもいい投球をしていた。打てそうでいて、バッターが嫌がる。菅生の選手も打ちにくかったのでは。(左のサイドスローを育てるのは)初めてですね。逆に、うちが(左のサイドスローに)やられていた方。夏に向けて投手が必要だし、いいところを見せてくれた」