創部26年目の悲願を逆転サヨナラ勝利でつかんだ。つくば秀英が昨秋県3位の土浦日大を破り、初の決勝進出と、秋を含めても初の関東大会出場を決めた。

3-2と1点リードで迎えた9回表、あと3アウトで試合終了の場面から相手打線につかまった。本塁打と適時二塁打で3点を失い、一気に形勢を逆転された。だが、森田健文監督はベンチの様子について「選手たちが全然諦めていない雰囲気だったんです。何か起こるんじゃないかと思っていました」と振り返った。2点ビハインドにも選手は声を出し続けた。

雰囲気が打線に火を付けた。3本の安打と押し出し四球で1点を返し、なおも1死満塁。3番の銘苅那都(めかり・なつ)外野手(3年)が、右越えの逆転サヨナラ2点適時二塁打を放った。劇的な一打にベンチ、スタンドは歓喜に包まれ、ナインは涙を流した。

併殺打なら一転、試合終了になるが、緊張をほぐしてくれる仲間の一声があった。打席に入る前、続く4番の野川唯斗主将(3年)が声をかけてきた。「決めてもいいけど、どうせ俺が決めるから楽に行ってこいよ」。銘苅は「それがすごく勇気になりました。コーチャーや他の選手も自分がリラックスできるような声をかけてくれて、『絶対打ったろ』となりました」と笑顔で話した。

5日には初優勝を懸け、センバツ出場の明秀学園日立と決勝で戦う。「『明秀日立が勝つ』という声が多いと思います。チャレンジャーとして、自分たちの(勝負強い)野球が出来れば」と意気込んだ。

▽森田監督「(関東大会出場は)本当に卒業生、OBの悲願だったので。今まで学校関係者、後援の皆さん、OBの方々に応援していただいた。良い報告が出来てうれしいです」