高校通算64本塁打(公式戦12本、練習試合52本)を誇る花巻東(岩手)のスラッガー、佐々木麟太郎内野手(2年)が、新年度最初の公式戦で適時二塁打を放った。「3番一塁」で先発し、2打数1安打2四死球。チームは5回コールド勝ちで県大会出場を決めた。通算本塁打数は大会開幕までに松井秀喜(星稜)の60本を抜き、清原和博(PL学園)の64本に並んだ。

    ◇    ◇    ◇

花巻東のレジェンド背番号「17」をまとった佐々木麟が、最終打席で「Hランプ」を点灯させた。11-1の4回2死二塁、フルカウントから低めスライダーをすくい上げ、中越えに適時二塁打。もうひと伸びで柵越えという当たりだった。OBのブルージェイズ菊池雄星、エンゼルス大谷翔平も身につけた出世ナンバーで、最後に結果を残した。

「思ったようなスイングができず、たまたま崩されて打球が風に乗り、あそこまでいった。まだまだ調子を上げないといけない」

昨年12月に両肩の胸郭出口症候群で手術。今春センバツ直前に戦列復帰し、初聖地は4打数無安打のほろ苦デビューとなった。現在も「スイングスピードや打球速度が落ち、思うようにバッティングできていない状態」だが、本塁打数は大谷と並んでいたセンバツ時の56本から4月30日の練習試合で64本まで伸ばした。

この試合は大半のレギュラー陣が、2桁番号でプレーした。佐々木洋監督(46)は「地区(予選)なので、3年生にもチャンスを与えながら最終的に力のある者が(1桁を)つけると思う」と意図を説明。佐々木麟は昨秋からセンバツまでの「3」ではなく、9カ月ぶりに「17」で出場した。

「センバツが終わり、ゼロからスタートする意味でも初心に返り、今までの結果はすべて忘れて、自分なりにリセットできたらと思っている。今年は今年で最高のパフォーマンスをできるようにしたい」

強打者が多い三塁守備にも挑戦中だ。着実に成長し、誰もが認める令和の大砲になる。【山田愛斗】