春8強の高田北城は、1番打者の植木健登中堅手(3年)が攻撃のギアを入れる。先頭打者として春は全4試合で安打をマークし、打率3割5分3厘の結果を残した。継投策をとる投手陣の一角にも入り、春は全試合で登板し計12イニングを投げた。攻守に重要な役割を担う夏は、上越総合技術と長岡の勝者と当たる2回戦(13日)から始まる。

トップバッターの植木は「1」という数字にこだわる。6月28日に期末試験が終わり、チームは一気に本番ムード。「打撃ではチームで1番の打率を残したい。勉強での1番は…。これからの自分に期待です」。20年秋から昨春までは3番打者を務めてきただけに、打力には自信を持っている。「高田北城の1番打者は打撃のいい選手が入るポジションだと思っている。誰が見ても適任だ、と言われるような打撃をしたい」。1番打者のプライドは高かった。

176センチ、64キロとスリムな体。冬場に胃腸炎にかかって、約1週間、食事がとれない状態が続いた。73キロあった体重は、9キロも落ちた。しかし、自信は落とさなかった。「打球を遠くに飛ばすことはできている」と打撃に関して好感触を得ている。春は4試合で、17打数6安打の4打点。「チームの中で一番、瞬発力がある。それがそのまま、投げるボールに乗る」と辰尾健太監督(37)が期待する投手としても、4試合で計12回を投げて、被安打7の8失点。投打でチームを8強へけん引した春に、植木は満足していない。「投打とも自分的にはダメだったと感じている」。

植木にとっての夏は春に満たされなかった思いを解消させる戦いにもなる。「勝利が味方に傾くように出塁したい」と自分から始まる攻撃の初打席から、ゲームの流れを引き寄せるつもり。投手は高校から始めたが「相手をねじ伏せて、しっかり抑えたい。最後の夏です」。投打とも、勝利に向かって貪欲だった。【涌井幹雄】

◆植木健登(うえき・けんと)2004年(平16)12月17日生まれ、上越市出身。野球は大手町小4年から三郷タイフーンで始める。小学時代は外野手で、城東中では内野手。高校では1年夏にベンチ入り。176センチ、64キロ。右投げ右打ち。血液型O。