55年ぶりの甲子園出場を目指す古豪・小倉工が、5回コールド勝ちで初戦を突破した。初戦としては異例ともいえる約560人の全校応援の中、11得点で快勝。主将の島田楓己(ふうき)内野手(3年)は「(全校応援は)初めての経験だったけど、とてもやりやすい。力になりました」と、大声援に感謝した。

1回に3番、梅沢柊捕手(3年)の右犠飛で先制。3回には2点、4回には大量7得点を挙げた。主将の島田も1安打2打点と貢献し「悪くはないですが、まだ調子は上げられる」と振り返った。

就任9年目の牧島健監督(33)は「考える野球を」と今春からノ-サイン戦法で指揮を執ってきた。発端は以前に在籍していた八幡工サッカー部の指導経験だという。「サッカーやラグビーは2つ、3つ先のことを予測する。それがヒントだった。野球もそれじゃないとだめで、常に先を想定して考える」。ナインの自主性を重んじつつ「困ったらこっち(ベンチ)を見なさい」と支えてきた。

小倉工は春夏通算17度の甲子園出場を誇る。19年には創立120年を迎え、福岡でも屈指の名門だ。今春の福岡大会では準優勝に輝き、九州大会にも出場。徐々に栄光を取り戻しつつある。牧島監督は「学校もバックアップをしてくれている」と全校応援に頭を下げた。古豪復活の夏が始まった。