盛岡中央のプロ注目右腕、斎藤響介投手(3年)が今大会初戦で自己最速を1キロ更新する150キロをマークし、3回完全投球でマウンドを降りた。初回から149キロを記録するなどわずか10球で3者連続三振スタート。2回も2三振を奪った。3回も先頭から2者連続で空を切らせ、そして3人目。カウント2-2と追い込み5球目、渾身(こんしん)の直球で自身初の150キロをたたき出した。3回無安打無四球8奪三振でチームを勢いづけた。

優勝を目指した今春の県大会はまさかの初戦敗退。斎藤は9安打6四球と精彩を欠いて8回9失点(自責4)と崩れた。盛岡地区予選3試合は計17回1/3を無失点も、県大会で力を発揮できず、「自分のせいで負けたという気持ちが強い」と試合後に涙を流していた。あの日の敗戦から約2カ月。春の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような完全投球を披露した。

盛岡中央は16安打15得点でコールド発進した。さらに斎藤降板後も2投手の継投で無安打締め。好投した斎藤は「初戦の先発で緊張はあったが、いい投球ができて良かった」。150キロを初めて計測し「少し浮いたところもあったが、指に引っかかっていいボールがいったと思う」と笑顔で振り返った。次戦に向けては「150キロで満足せず、150キロをゾーンに投げられるように2回戦からやっていきたい」と意気込んだ。

○…投打がかみ合い、5回コールド発進を決めた。最速150キロ右腕の斎藤響介(3年)、宮野康平(2年)、藤田寛大(3年)の3投手による継投で無安打無得点リレー。打線も小笠原彩内野手(3年)の1発など16安打15得点と機能した。次戦に向けて菊池快主将(3年)は「響介だけに頼るわけにはいかない。どんな相手に対しても中央高校の野球をしたい」と意気込んだ。