最強集団を束ねる大阪桐蔭の星子天真(てんま)主将(3年)は夢心地だった。3年ぶりの対面での組み合わせ抽選会。壇上でくじを引き「集まっている感じがいい。面白い、ワクワクする気持ちがありました」と話した。昨年と同じ第5日の1試合目。3度目の春夏連覇へ、まず戦う相手が決まった。
旭川大高は未知の相手になる。西谷浩一監督(52)は「監督さんが同級生と聞きました」と明かし、気を引き締める。「北海道の激戦を勝つ力がある」と警戒した。センバツを異次元の戦いで優勝した。春季近畿大会決勝で智弁和歌山に敗れて公式戦連勝は「29」で止まったが、勝負の夏にキッチリ状態を上げてきた。
指揮官は「大阪の決勝を勝ったことで勢いが出ている状態」と胸を張り「自分たちのグラウンドで、地の利もある」と腰を据える。妥協知らずだから、名将と呼ばれる。7月始め、3度目の春夏連覇挑戦と問われると質問をさえぎるように「4度目ですね、挑戦は」と言った。「2017年も狙って失敗しました」と言葉を継いだ。春夏V2度でも史上最多。さらに高みを目指し、目は真剣だった。
今秋ドラフト候補の松尾汐恩捕手(3年)や左腕の前田悠伍投手(2年)を擁するが、部員64人で戦ってきた。大阪を制し、星子は仲間に言った。「やっとスタートラインに立てる。ここから本当の戦いが始まる」。12年の藤浪&森、18年の根尾&藤原…。突出したスターはいないが、昨秋の明治神宮大会も制し、投打の総合力はピカイチだ。秋春夏3連覇は同校初挑戦。新伝説誕生の機運が高まっている。【酒井俊作】
◆昨秋&今春の大阪桐蔭の全国制覇 昨秋の大阪大会と近畿大会を制覇。広陵との明治神宮大会決勝は松尾汐恩捕手(3年)の2本塁打など、毎回18安打の11得点で初優勝を決めた。今春センバツで接戦は1回戦の鳴門戦の3-1のみ。不戦勝の2回戦(広島商戦)を挟み、準々決勝で市和歌山を17-0、準決勝国学院久我山を13-4、決勝の近江戦も18-1と圧倒した。大会11本塁打は新記録。松尾ら4人が2本塁打、丸山一喜内野手(3年)の11打点も光った。春の大阪を制して臨んだ5月の近畿大会は決勝で智弁和歌山に敗れたが、これが新チーム唯一の黒星となっている。
◆秋春夏連覇 明治神宮大会優勝校が翌年に甲子園で春夏連覇する「秋春夏連覇」を達成したのは、松坂大輔らを擁した98年横浜だけ。84年岩倉、02年報徳学園は秋春と連覇したが、岩倉は夏に出場できず、報徳学園は夏の初戦で浦和学院に3-7で敗れた。

