青森大会は3位決定戦で八戸工大一が斎藤駿投手(2年)の好投で青森商に競り勝ち、東北大会出場をたぐり寄せた。

残り1枠の東北大会進出を懸けた大一番。斎藤は自分を信じた。9回2死。最後の打者を二飛に抑え、最大5点差をひっくり返す逆転劇を締めくくり、雄たけびを上げた。「最後は持ち味の真っすぐで抑えた。東北大会を決められて良かった」と笑みを浮かべた。

闘志をたぎらせ、最終回のマウンドへ向かった。「最後は技術よりも、気持ちで押し切りたかった」。スコアは6-5。先頭を左飛で打ち取ると、続く8番は直球で追い込み、最後は外角スライダーで空振り三振。前日25日の準決勝は8回1/3を108球投げたが、連投の疲れを感じさせない。「1個ずつアウトを取っていこうと思った」と目の前の相手にだけ集中した。

6回2/3を4安打1失点。0-2で迎えた3回1死満塁から登板し、暴投とスクイズで2点を許すも、大量失点は防いだ。6回以降は散発2安打。「チームを勝利へと導ける投手がエースだと思う」。ロッテ種市、西武黒田らが背負った背番号「1」。エースの自覚を斎藤は胸に刻んでいる。

長谷川菊雄監督は「(3位決定戦で)勝つと負けるのとでは天国と地獄の差」と言った。昨秋は同大会準決勝で惜敗し、センバツにあと1歩及ばなかった。斎藤は「優勝してセンバツ出場を狙う」と力強く誓った。【佐藤究】