東海大静岡翔洋女子硬式野球部の「卒部式」が5日、静岡市内の同校で行われた。前主将の斉藤美咲内野手、中村めい外野手、岡村妃菜投手(いずれも3年)が出席。卒部証書や記念品などが贈られた。中村は「あっという間だった。このチームで野球ができて本当に良かった」。涙あり、笑顔ありの式典を終えた1期生3人は、白球を追った3年間に別れを告げた。

20年6月2日。たった3人の同好会から歴史が始まった。当時の主な練習場は、中学男子が使用するグラウンドの片隅。整地も自分たちで行うなど「0」からのスタートだった。弓桁義雄監督(59)は「新しい部員を迎える準備を人一倍してくれた」。21年4月に県内初の女子硬式野球部として創部すると、現在は部員58人の大所帯になった。

昨春の全国大会では、優勝した福井工大福井と3回戦で対戦。7-8と善戦した。岡村は「本当に全員が一丸となって戦えた試合だった」と振り返る。「笑顔で日本一」を合言葉に、3人が礎を築いたチームは確実に成長を続けている。

春からは斉藤と中村が保育士、岡村はパン職人を目指して進学する。斉藤は「翔洋で経験したことを糧に頑張っていきたい」。中村も「3年間で身についた根性と度胸でチャレンジしていきたい」と話し、岡村も「諦めないことを学び、体力にも自信がついた。生かしていきたい」と続けた。“翔洋3人娘”の挑戦は続く。

【前田和哉】