今夏の福岡大会初の継続試合となった2回戦は門司大翔館が3-2で育徳館を振り切り、9回裏2死三塁から再開となった超異例の一戦を制した。
高校通算15本塁打の育徳館の4番信濃勇太外野手(3年)は「いつも通りに」と言い聞かせたが一ゴロ。両膝に手をつき、動けなかった。「現実なのかな。終わったのかなという気持ちで…」。
7日に継続試合が決まり、3日連続で雨天順延。9日に18歳の誕生日を迎えたが眠れない夜が続いた。「夏は負けたら終わり。不安が消えなかった」。再開は1点を追う9回2死三塁から、打者は自分。凡打なら、みんなの夏が終わる。今日はできるのか、また雨か…。日ごとに緊張が増した。帽子のつばの裏に「英姿颯爽」の言葉を刻み、最後の夏に挑んだ。「負けてしまったけど一生忘れられない夏になりました」。7日の試合開始から97時間9分。決着は2分。長くて短い夏は終わったが、すがすがしく胸を張った。
<7日の門司大翔館-育徳館VTR>
育徳館が初回に1点を先制し、門司大翔館は4回に2得点で逆転に成功。序盤は曇り空だったが、7回から雨は強まった。9回は土砂降りに。門司大翔館が1点を追加したが、その裏、育徳館が2死一塁から三塁打で1点差に迫った。なお2死三塁で37分間の中断を挟んだが、再開は困難と判断され、継続試合が決まった。当初は8日に仕切り直す予定だったが、大雨の影響で3日連続で雨天順延に
○…門司大翔館(福岡)は救援登板した背番号10、公文活樹(かつき)投手(3年)が1点差を死守した。9回裏2死三塁。松本大輔監督(42)が「球筋を(育徳館に)見せていたので」と7日の試合で投げたエース中村翔輝投手(3年)に代え、今春まで背番号1を背負った右腕を投入した。公文は「直球を張っていると思った」と全4球変化球を投じ、外のカーブで4番を一ゴロに抑えた。緊張と重圧に押しつぶされそうになった3日間。「勝ててホッとしています」と充実の汗をぬぐった。

