<高校野球福岡大会:祐誠9-0福岡常葉>◇13日◇3回戦◇久留米市野球場

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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福岡常葉の“ビッグボス”の挑戦は3回戦で終わった。体重135キロの主将で4番の後藤優太内野手(3年)は3打数無安打で、チームも7回コールド負け。それでも「強い相手だったけど、それなりに戦えた。悔いはあるけど、やりきった」と振り返った。

コールド敗退へ後がない、9点ビハインドの7回1死一塁だった。「ゲッツーだけはなしにしたかった」と強い気持ちで打席に立ったが、遊ゴロ併殺でゲームセット。一塁に巨体を揺らして激走。ヘッドスライディングの気迫も報われなかった。11日、「勝つ」にかけて、試合前に験担ぎで食べた豚カツパワーも届かなかった。

出生時は2700グラムだったという。だが、足の大きさは生後11カ月で13・5センチと2歳児並みのビッグサイズ。小3からご飯をよく食べるようになり、毎年10センチ以上背が伸びて、小6で足のサイズは29センチ、身長は160センチあった。

母亜紀子さん(46)によると「性格は温厚でおっとりしている」という。だが、試合中は一塁守備から大声で選手を鼓舞して、主将としての存在感を示した。「僕なりに1人1人に寄り添い、周りが離ればなれにならず、団結できるよう心がけて来ました」といい、頼れる主将だった。

高校卒業後は大学進学予定で、将来はスポーツに携わる仕事がしたいという。敗れたが、ビッグなハートで引っ張った。【菊川光一】