古豪・木本(きのもと)が止まらない。三重大会でV候補の一角、海星に競り勝ち、ベスト8に進出した。久保尊(たける)捕手(3年)が、本塁打など全得点にからむ3安打。世界遺産・熊野古道のおひざもとで復活した「黒潮打線」がまた勢い付いた。
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南紀・熊野市の学校から約170キロも離れた四日市で、木本が躍動した。遠征の疲れも見せず、1点差の9回を守り切った。ヒーローは4打席すべて得点に絡んだ久保。お祭り騒ぎの応援席に何度も手を振った。
「厳しい試合をみんなで勝ち切れて、めっちゃうれしいです。試合ごとにお客さんや歓声が増えて、それに乗っかれました。感謝しかありません」
ガンガン振りにいく攻撃的な1番捕手が「黒潮打線」の象徴だ。初回は四球で先制のホームを踏み、3回は直球を狙い打って逆風を切り裂く右越えソロ。高校通算19号で「今日は打てる気がしました」。5回も先頭で左越え二塁打。7回は好機拡大の右前打。プロも視察するほどの強打者が、暴れまくった。
中学3年の夏、近隣の中学生が集まって野球をした際に「めちゃくちゃ楽しかった」と今のメンバーと意気投合。「木高(もっこう)から甲子園行こうや」と誓い合った。熊野を愛する久保は、地元漁港に揚がるクジラの尾の刺し身をごま油で食べるのが大好き。地産地消のスーパーでそろえた食材で成長し「最高に楽しい。木高を選んでよかったです」とうなずいた。
昨秋は部員13人で県4強。熊野古道の清掃など社会活動も評価され、センバツ21世紀枠の東海地区候補になったが、本選では漏れた。4月就任の小林祐哉監督(26)が「外野フライを狙え」と長打を推奨。短期間で4人の3年生が高校初本塁打の目標をかなえた。木本が大会の主役になりそうな勢いだ。【柏原誠】
◆久保尊(くぼ・たける)2006年(平18)2月3日生まれ、三重県熊野市出身。有馬小4年から有馬クラブで野球を始め、中学は有馬中で軟式。高校では捕手兼外野手でプレー。遠投105メートル、50メートル走6秒0。二塁送球1秒8台。175センチ、76キロ。右投げ左打ち。目標の選手は楽天辰己。

