王座奪還! 日大山形が山形中央を6-4で下し、2年ぶり19度目の優勝を果たした。打線が7回に一挙5得点を挙げ、試合をひっくり返した。

準々決勝からスタメンを外れていた副主将が、ビッグイニングの起爆剤となった。1-3で迎えた7回2死満塁、好機に代打・小野彰太郎内野手(3年)が送られた。小野は「打席に向かうとき、『おまえが決めろ』とずっと言われていた。『ここで自分が決めてやる』という気持ちで打席に入りました」。周りの期待を背負い、2球目をフルスイング。中前2点適時打で試合を振り出しに戻した。

小野は一塁上で「よっしゃ、俺が決めたぞ!」と右拳を味方ベンチに突き出し、雄たけびを上げた。小野の一振りを皮切りに、チームはその後4連打で得点を重ね、この回一挙5得点。山形中央を突き放した。小野がベンチに戻ると、チームメートからは「よく打った、やっぱりおまえだ」と声をかけられた。小野は「自分が打ったその流れに乗って、みんな初球から強く振ってくれた。チームに貢献できました」と満足げに振り返った。

21年夏の甲子園はスタンドで応援。当時主将の佐藤拓斗さん(法大2年)の、プレーでチームを引っ張る姿を見て学んだ。ポジションは同じ一塁手。「一塁手として話をいっぱい聞かせてもらった」。勝負強さは2つ上の主将譲りだ。甲子園に向けて小野は「1球に強く、1スイングで決められるようなバッティングで貢献したい」。最後の夏、1球に全力を尽くしていく。【濱本神威】

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