<高校野球大阪大会:大阪桐蔭10-2東海大大阪仰星>◇4回戦◇24日◇南港中央球場

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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東海大大阪仰星(大阪)の米沢康太外野手(3年)は大阪桐蔭に敗れた後、「前田がいなければ成長できなかった」と涙ながらに感謝した。

昨秋の大阪大会5回戦。抽選で大阪桐蔭との対戦が決まった日から「打倒前田」を掲げ、投球動画の研究を開始した。「ストレートを打ってやる」と打撃練習にも熱がこもった。「彼のことをずっと考えていた」と話すほど、練習前も練習中も動画を頻繁にチェックし続けた。練習後には1時間の居残り練習。「満足できなければ自宅の庭で、ご飯も食べずに1時間以上の素振りを続けてきた」。

そんな努力が花開いたのは6回裏だった。前田の137キロ直球をとらえて左翼フェンスオーバー。上林健監督(55)は「他人の2倍3倍練習してきたことが形として出た。努力は大切だと教えられた」と教え子の努力にうなずいた。

最後の夏。敗れはしたが、大目標は達成した。この経験を糧に成長を続けるつもりだ。【奥谷爽】