制限のない球児の熱い夏が、4年ぶりに帰ってくる。第105回全国高校野球選手権大会が6日、甲子園で開幕する。5日は開会式のリハーサルが行われ、対面での監督対談も、コロナ禍を経て4年ぶりに実施された。昨夏、東北勢初優勝を飾った仙台育英(宮城)と春夏通算26度出場の強豪・浦和学院(埼玉)が、いきなり初日に対戦。1回戦屈指の好カードに、注目が集まる。

  ◇  ◇  ◇

練習試合を組むなど親交のある仙台育英・須江航監督(40)と浦和学院・森大監督(32)の2人は、にこやかに握手を交わした。須江監督は「考えすぎて、昨日は(浦和学院との)夢を見ましたよ」と明かした。

どちらも今夏の県大会全試合で先制点を挙げ、一度もリードを許さずに勝ち上がった。須江監督が「リードされた時に、落ち着いてプレーできることが大事だと思う」と話すと、隣の森監督も大きくうなずいた。

両校は、直近10年の夏の甲子園で5年ごとに対戦。13年は11-10で仙台育英が、18年は9-0で浦和学院が勝利した。今回は第3試合で、試合開始は午後3時40分予定。森監督は「13年(第4試合、午後4時35分開始)の時、夕暮れ時から夜にさしかかるにつれ、打球も見えづらくなった。その中で甲子園の魔物も味方にしたい。そこで勝機を見いだしたい」と意識する。

夏連覇の期待がかかる仙台育英は「2回目の初優勝を狙う」と須江監督。浦和学院は、7月に急逝した三浦貴コーチの思いも背負い、森監督は「三浦先生は天国で見てくれていると思う。共にあるという気持ちで、頑張りたい」と静かに闘志を燃やした。【保坂恭子】

【一覧】甲子園出場49校完全データ 戦力評価、部員数、主な卒業生付き

【一覧】甲子園組み合わせ トーナメント表

【一覧】甲子園出場の注目選手

【高校野球 スコア速報&日程】