<全国高校野球選手権:履正社6-0鳥取商>◇7日◇1回戦

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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聖地で、元相棒との対戦が実現した。鳥取商の3番手で登板した荒川と履正社の1番・西は、小学生の頃にバッテリーを組んでいた。その2人が甲子園で再会した。

小学時代は西が投げ、荒川が受けたが、この日は荒川が投手として打者・西と勝負することに。待ち望んだ対戦は8回表にやってきた。1ストライク後、荒川が選んだのはスライダー。「打ち取るか、ファウル打たせるかと考えて。いいボールが投げられました」。結果は内野安打で、俊足の西に出塁を許した。それでも西に「詰まらされたので、僕の負けですね。もっとしっかり捉えて打ちたかったです」と言わせた球を投げ「8回はチームに流れを持ってくるピッチングができたと思います」と胸を張った。

初戦敗退の悔しさはある。ただ荒川は「小学生の頃には想像もしていなかったことになって、楽しかった。対戦できて良かったです」と振り返った。高校最後の夏に巡ってきた仲間との勝負は、悔しさを少し和らげてくれた。【永田淳】