浜松開誠館が初出場初勝利を挙げた。1点を追う5回2死一塁。4番・新妻恭介が、カウント2-2からスライダーを捉えた。「打った瞬間にいったと思った」。手応え十分の打球は逆風を切り裂き、ライナーで左翼席に飛び込んだ。高校通算9本目のアーチは、決勝の逆転2ラン。「すごく気持ち良かった」と右手を上げ、ダイヤモンドを回った。
21年まで同校で非常勤コーチを務めた中日中村紀洋2軍打撃コーチ(50)に直接指導を受けた。プロ通算404本塁打を誇るスラッガーの技術に加え、昨秋からはチームで肉体強化にも着手。新妻は体重が8キロ増え、スイングスピードも120キロから150キロ近くになった。「トレーニングの成果が出た。ノリさんにもやっと恩返しができた」。最後の夏にたどり着いた夢舞台で成長を見せつけた。
活気づいた打線は、8回にも深谷が2点適時打を放つなど13安打5得点。初出場の重圧もなんのその、静岡大会3回戦から6試合連続の2桁安打を記録した。元中日の佐野心監督(56)は「1戦1戦、家康のように少しずつ力をつけて天下を取りたい」と、浜松城に在城した天下人・徳川家康の名を挙げ、先を見据えた。強力打線で全国制覇へと進む。【前田和哉】
◆初出場3校が初戦突破 高知中央、鳥栖工に次いで浜松開誠館が初戦突破。春夏を通じて甲子園初出場の3校が勝ったのは、13年夏の4校(有田工、弘前学院聖愛、西脇工、富山第一)以来。

