「広陵のボンズ」の最後の夏が終わった。

真鍋慧(けいた)内野手(3年)の最終打席は同点で迎えた9回無死一塁で回ってきた。「絶対バントだと思っていた」とサインにうなずき、初球からバットを寝かせた。高校通算62本塁打のスラッガーの構えに、約3万8000人観客がどよめいた。1年夏以来の送りバントを試みたが、三塁への小フライに倒れ、天を仰いだ。「1点取ったら勝てる試合。必ず送らないといけなかった。自分のミスで負けてしまったので悔しいです」。189センチの大きな体に似合わぬ小声で胸の内を明かした。

最後の夏はフォア・ザ・チームに徹した。今春センバツでは準決勝で山梨学院に敗れ、好機での確実性を上げる練習に励んだ。全体でのケース打撃では走者をかえせなければ右翼ポールまで全力疾走と決め、追い込んできた。この日も「自分が打てなくても後ろにいいバッターがいるのでそれにつなぐ(意識だった)。どんな形であろうと勝てばいいので」と勝利が最優先だった。

7回には中前打を放ち、一時同点のホームを踏んだ。3度出場した甲子園で本塁打こそ出なかったが、13安打7打点と力を発揮。プロ志望届を提出する方向で、今秋ドラフト会議の目玉になる可能性は高い。「いろんな経験をさせていただいて甲子園で終われることはよかった。チャンスで回ったら絶対かえしてチームを勝たせられるようなバッターに」。真鍋の野球人生は続く。【村松万里子】