<全国高校野球選手権:神村学園6-0おかやま山陽>◇19日◇準々決勝

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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ダブルキャプテンの長い夏が終わった。おかやま山陽の快進撃はベスト8でストップ。井川と渡辺は隣同士で整列し、土を集め、甲子園を去った。

2人は保育園からの幼なじみ。丸めた新聞紙で一緒にキャッチボールをするなど仲良し。小、中学校では別のチームでライバルだったが、おかやま山陽で初めてチームメートとなった。

新チーム結成直後は井川が堤尚彦監督(52)から主将に任命されたが、人生初の大役に困惑。「自分は引っ張られるタイプ。うまくいかないことが多くて、戸惑った」。監督にも「無理です」と一度断った。井川をカバーしたのが渡辺だった。堤監督も「2人とも仲いいし」と投手は井川、野手は渡辺がキャプテンとしてすみ分け、はまった。

4強に終わった春の岡山大会直後は2人で立て直しを図った。渡辺は「チームが崩壊状態だったのですごくしんどかったが、井川とともに乗り越えられた」。甲子園出場を決めて喜びはひとしおだった。投打の柱は今夏、同校初の甲子園8強で歴史を塗り替える立役者となった。渡辺は「2人で最後まで諦めずにチームをまとめてこれて良かった」と胸を張った。互いの存在を支えに、ラストイヤーが幕を閉じた。【林亮佑】