21世紀枠で田辺(和歌山)が選出された。部員わずか18人と4人の女子マネジャーで活動している同校が、1948年(昭23)以来76年ぶり3度目のセンバツ切符をつかんだ。同枠のもう1校は別海(北海道)が選ばれた。
田辺は昨秋の和歌山大会の準々決勝で市和歌山を9-2で、準決勝では智弁和歌山を5-2と強豪校を連破。52年ぶりの近畿大会出場を果たし、1回戦で京都国際と対戦して延長タイブレークの末に2-3で敗戦。惜しくも8強入りを逃した。自力でのセンバツ出場が絶望的となった中、昨年12月8日に発表された21世紀枠の地区候補9校のうちの1校に名を連ねていた。
紀伊半島の南西部の太平洋に面する田辺市内に位置する同校は、1896年(明29)に創立された伝統校。「文武両道」を掲げ、毎年100人近くの生徒が国公立の大学に進む県内有数の進学校だ。野球部も1898年(明31)に創部され、長い歴史を誇る。旧制の田辺中時代の1947年(昭22)から2年連続でセンバツ出場し、夏は1995年に1度だけ出場した。その後、しばらく聖地とは疎遠となっていた。
チームは「愛される野球部になろう」をモットーに、野球以外の取り組みにも力を注ぐ。オフには校外でのランニングメニューを行うと同時に、浜辺やお寺で清掃活動を行う。学校近くの高山寺では、年末に大掃除を実施することが恒例。また、8年ほど前から12月には地元の少年野球チームや野球未経験の小学生との交流を行うなど、地域の野球振興にも重きを置いているところも選考のポイントの1つになった。
野球王国・和歌山で昨秋の県大会準Vと文武両道を証明した田辺に、吉報が届いた。
21世紀特別選考委員会による選出理由は以下の通り。
「教育相談を担った経験のある監督がスクールカウンセラーと連携し、イップスを克服するサポートをしたり、対人関係の相談に乗ったりするなど対話を重視。精神的にも1人1人を細やかにフォローする点が、これからの時代のあり方として評価された。また、昨秋の和歌山大会で市和歌山、智弁和歌山の強豪を破って準優勝した実力の高さを評価する声も多かった。120年以上の歴史を持つ伝統校だが、ベンチ入りメンバーは20人に満たない。だが、『愛される野球部になろう』をモットーに、周辺の学校と連携して野球教室を開くなど、地域貢献にも努めている」
◆田辺 1896年(明29年)に創立した県立校。夏の甲子園には1995年に1度出場。センバツは田辺中時代の1947年(昭22年)から2年連続で出場。主な野球部OBは巨人、大洋(現DeNA)で活躍し、近鉄で監督も務めた岩本尭ら。男女ともにホッケー部は全国区。和歌山県田辺市学園1ー71。西嶋淳校長。

