能登半島地震で被災した富山北部は21世紀枠の選出から漏れたが、夏への思いをより一層強くした。
大野晃主将(2年)は「悔しさを糧にして夏は必ず甲子園に出たい。がっかりもあるが、まだ甲子園に行くチャンスはあるので、チャンスを無駄にせずにしたい」と前を向いた。
1月1日に震度5強の揺れで部室にはひびが入った。学校も一時は避難所として使用し、周辺では液状化した地区もあるなど被害が出た。幸い人的被害は出なかったが、津波から身を守るために高台に避難した部員もいた。暖房設備のボイラーでは地中につながる管にひびが入り、地震発生から約1カ月がたった今も壊れたままだ。全教室で寒さをエアコンでしのいでいるが底冷えには対応できず、大野も「足元が寒い。ひざかけをしている人もいるし、僕はカイロを使っている」と不便を強いられている。
3年前同様に北信越代表校に選ばれながらあと1歩で逃した。笹野祐輔監督(34)は当時も水橋との連合チームで監督を務めており、2度目の期待もかなわず。「いい結果は得られませんでしたけど、前回の落選からチームは成長していますし、今回の結果がダメでもやってきたことは変わらないと話していたので、また前を向いて自力で甲子園に行きたい」と、成長をプラスに捉え切り替えた。
8日には選手が自発的に募金活動を実施。3時間ほどの活動で約44万円も集まり、「頑張ってね」と声をかけられることもあった。大野も地域からの応援を強く感じたといい「応援してくれることがありがたく感じた。地域の方々の思いを無駄にしないように、夏に甲子園という形で恩返ししたい」と力強く誓った。
昨夏、昨秋ともに富山大会で準優勝。確実に甲子園へと手が届くところにはいる。大野も「まずは春の北信越に出て勝つことを目標にしている。それに向かってあとはただやるだけ」と自力での聖地をつかむ覚悟を語った。55年ぶりの夏の甲子園出場へ、一丸となってリスタートを切る。【林亮佑】

