思わぬ伏兵が甲子園を駆け回った。初戦の京都国際戦に青森山田の背番号20、佐藤隆樹外野手(2年)が「1番右翼」で先発出場。初回に四球を選び、4番原田純希(あつき)内野手(3年)の右前適時打で先制の生還。その後は1安打1打点1盗塁と躍動した。50メートル6秒フラットの快足が、次戦もダイヤモンドを駆け回る。
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小学校では一番足が速かった。父貴郁さんが陸上をやっていた影響もあり、中学校は陸上一本で挑戦するつもりだったが、母香美さんの「陸上部だけじゃ運動量が少ないんじゃない」という一声で、小学2年から始めた野球を継続。中学では陸上部に所属しながら瑞穂シニアで野球を続けた。
中学2年の冬に青森山田から声がかかり、野球の道を選んだ。「見学させていただいて、ここでやりたいと思った」。50メートル6秒フラット、30メートル3・8秒はチーム一の俊足だ。それもあってか、京都国際戦のライブ放送では「陸上で埼玉県1位」と紹介された。だが、実際は中学2年が最後の大会出場で、成績は県大会の100メートル準決勝進出が最高。自己ベストは11秒6。佐藤隆は「埼玉県1位」という触れ込みに「誰が言ったか分からない」と困惑。誤った情報が全国に知れ渡ったことには、「さすがにちょっと恥ずかしいですね…」と苦笑い。しかし、初戦では、その情報は本物と思わせるスピードを見せた。佐藤隆は「走塁面では自分の持ち味が出せたので良かったです」と納得の表情を浮かべた。
次戦は広陵(広島)と対戦。「1番バッターとして自分が出て、チームに勢いをつけて、かえしてもらえるように頑張っていきたい」。陸上で取れなかった1番を甲子園でつかんでみせる。【濱本神威】

