自由ケ丘・西尾竜馬監督(46)は悔しさをにじませ、最後は泣きじゃくるナインの健闘をたたえた。

「この子たちと甲子園へっていう思いでしたけど…。選手は最後まで粘り強くやってくれました」

夏は18年以来6年ぶりに指揮を執った。昨年の7月末まで同校駅伝部のコーチも兼任。「駅伝がメインで、週で空いた時に野球部は臨時コーチで行って」。

自身は野球一筋で松山商(愛媛)出身。高3時の96年夏にチームは甲子園優勝を果たし、決勝の熊本工戦は「奇跡のバックホーム」で今も語り継がれる。指導者としては九州国際大付でコーチを務めたこともあり、ダルビッシュらを育てた故若生正広氏の下で帝王学を学んだ。駅伝とは無縁も、「すごく勉強させてもらいました。結構のめり込んで、ですね。いろいろ学ばせてもらった」と全国高校駅伝に2度出場。「いないんじゃないですか? 都大路を経験した高校野球の監督って」と笑う。

選手との対話を常に大事にする。「時代が変わっていると痛感しますね。昔は『あれやれ、これやれ』のトップダウン。今は選手とコミュニケーションを取ることが大事」。自らが選手だった頃は罵声が飛び交うのが当たり前。文字通りのスパルタ指導だった。「今は厳しく声をかけたら萎縮します。どうほぐしてあげるかです」。

「やっぱりそうですね。高校野球の監督はやりがいがありますね」。指揮官として甲子園出場を目指し、これからも選手たちと向き合っていく。【佐藤究】