東北・堀江海斗投手(2年)のチームを救った投球に、大量の「むっちゃええやん!」が浴びせられた。

堀江は4-4の9回から4番手で登板。最大3点差を追いつかれ、石巻工の押せ押せムードだった。2年生左腕は2イニングを3奪三振の完全投球。「緊張したんですけど、投げました」と、激闘を終えてまず一息ついた。

東北ナインからは試合中に何度も「むっちゃええやん!」という声が飛び交う。6月ごろからチームに流行しているワードで、堀江から輪が広がった。「トレーナーの方が『むっちゃええやん!』を使ってて。それをまねしてたら、みんなが乗ってくれました」と、事のいきさつを回想。チームの流行語となった。

まだあどけなさが残る17歳は、かわいがられるキャラだ。この日は延長10回、普段は全くほどけないスパイクのひもが2度ほどけた。

2死一、三塁で迎えたのは4番打者。球場全体が勝負の行方にハラハラしていた。2度目のタイムをかけてマウンドでしゃがみ込むと、スタンドで声援を送るチームメートから「お~い、堀江~」と一声。顔を上げた堀江は思わず笑みがこぼれた。「なんかちょっと、それて緊張がほぐれたっていうのはありました」と、思わぬ“エール”に腕が加速した。

佐藤洋監督(62)は「あんな感じで、ピンチもピンチと思ってない。肝っ玉が据わっているし、自信を持って送り出せるピッチャーに成長しました」とマウンド度胸を評価した。さらに、「今年になってから急成長して。球は速くないんですけど、落としたり抜いたり、ピュッと(フォームを)早く投げたり、ボールの出し入れもできるようになった」と、投球面での成長も絶賛した。

昨秋まではメンバー外だった。オフで縦に落ちる変化球を2種類習得。投球の幅を広げ、130キロ前後の直球に5種類の変化球を操る。「ストライクゾーンが広くできて、インコースも使えるようになった」と手応えを感じている。

15日は第1シードの仙台育英と対戦。石巻工に苦戦を強いられたが、サヨナラ勝ちの勢いが付いた。「3年生は最後の夏なので、負けられないので、全力で頑張りたい」。王者との一戦でも、「むっちゃええやん!」が何度もこだまする。【黒須亮】

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