伏兵サイドスロー右腕の50キロの緩急差が、50年以来の聖地へ加速させた。仙台一・遠藤颯投手(3年)が、実力校・利府を7回2安打無失点と圧勝。本来は外野手で、公式戦初先発も「気負うことなく投げられた」と、130キロ台中盤の直球に、スライダーや80キロ台のカーブを交えた投球を披露した。
投手陣は速球派の千葉綾太投手と安藤舜投手(ともに3年)のダブルエース。遠藤の先発起用は千葉厚監督(46)のひらめきだった。「利府と(4月に)練習試合をしてたので、この手のタイプがハマるかなと。千葉と安藤は対策を立てられている」と仮説を立てた。
昨夏4強の難敵相手に、横手から緩急で揺さぶる遠藤を送った。今春の県大会は登板なし。昨秋の県大会、東北大会での2登板は、ビハインドの状況で試合を立て直す役割だった。
県内屈指の進学校は、投球の詳細なデータを測定するラプソードを活用。本来野手の遠藤は、自分なりに使い方を整理している。スピン量などの数値を追い求めるのではなく、「スライダーの曲がり幅がどれくらいとか。スピードがどれくらいとか」と、必要と考える項目のみをチェック。理想のスライダーは「ベースからベースの曲がり幅(ボール6個分)」と、ドジャース大谷のスイーパー級だという。
持ち味の投球術で、結果的にダブルエースの温存に成功。今後の戦いに好影響を与えた。「与えられた役割を全うして、チームに勝利もたらしたい」。遠藤が74年ぶりとなる甲子園への道筋を明るくした。【黒須亮】

