松島が仙台西を7-4で破り、好スタートを切った。「1番投手」で先発した八木直也投手(3年)が投打で活躍。2安打3打点にヘッドスライディングでチームを鼓舞し、9回完投で初戦突破に導いた。東北学院は富谷に12-2で6回コールド勝ちした。
◇ ◇ ◇
最後までマウンドには泥だらけのエースがいた。先発の八木は145球を熱投。6奪三振4失点(自責3)で完投した。打っては2安打3打点。春から1番打者としてけん引するエースは、盗塁やヘッドスライディングも光った。「ピッチャーですけど、チームの1番打者でもあるので、勝つためにはやるしかないと思っています」。覚悟のプレーは戦闘服を黒く染めた。 反撃ムードもしっかりと断ち切った。7回表には2点を返され、同点にされるも、その裏に勝ち越し。「点を取った後だったので大事に、絶対に3人で切ろうと思いました」と、8回のマウンドに向かった。すでに、球数は100球を超えていた。2人を打ち取ると、最後は渾身(こんしん)の直球で勝負し、見逃し三振。「気持ちで投げました」とこの試合、唯一の3者凡退で終えた。
昨秋からエースナンバーを背負う八木。中3から投手を始めるも、出番はほとんど無かった。だが、今では6球種を操る絶対的エース。昨年の冬には、同年2大大会(都市対抗野球、日本選手権)に出場した日本製紙石巻による技術講習会を受講。そこで、最速152キロ右腕の秋田稜吾投手から2球種を取得し、伸び悩んでいた直球の握りも教わった。「すごい選手に教えてもらえて自分のためになりましたし、とても貴重な経験をさせてもらいました」。昨秋は先発した2試合に敗れ、地区大会敗退。だが、今は違う。大きな成長を遂げたエースがこの夏、自らの手で1勝目をもたらした。 3年生4人でここまできた。「少しでも長く野球をしたいです」と苦楽をともにしてきた仲間に思いを寄せる。「次もみんなを信じて、自分も活躍して、絶対に勝ちたいです」。泣いても笑っても最後の夏。仲間との一瞬一瞬を胸に刻んで戦う。【木村有優】
○…敗れた仙台西は部員12人で最後まで戦い抜いた。2-4の7回に2点を返し、一時は同点にも追いついた。練習試合の大半は敗戦ゲーム。相原正美監督(61)は「いつもですと、リードされると、ずるずるといってしまいます」。だが、この日は違った。「よく振り出しに戻したと思います。本当に最後まで粘りをみせて、よく戦ってくれました」と振り返った。

