神村学園(鹿児島)が、連覇を目指した横浜(神奈川)を2-0で下し2回戦進出を決めた。エース右腕の龍頭汰樹(りゅうとう・たいき)投手(3年)が、緻密な制球と強気な内角攻めで完封一番乗り。史上初めて横浜を甲子園初戦で完封し、衝撃を与えた。智弁学園(奈良)は、最速149キロ左腕の杉本真滉(まひろ)投手(3年)が花巻東(岩手)を散発3安打完封。「高校BIG3」のうち沖縄尚学・末吉良丞(3年)横浜・織田翔希(3年)の両腕が敗退する中、フレッシュな投手が名乗りを上げた。
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一塁側のアルプス席へあいさつをした横浜・織田の目が潤んだ。「横浜の背番号1には、簡単には背負ってはいけない責任や重圧が、どの学校よりもあると思う。そういう意味では、名前を汚すピッチングをしてしまった」。たくさんの応援の拍手が心に響いた。「情けない。ただそれだけです」。淡々と振り返った。
コンディションは万全だった。しかし、マウンドに上がると何かが違った。冬からセットポジションに取り組んできたが、真っすぐ、変化球が高めに浮いた。7回2/3を投げ7安打2失点、最速は150キロ。「甲子園という舞台で自分が変わってしまった」。中盤からペースをつかんだが、流れを引き寄せることはできなかった。
横浜の真のエースを目指した春だった。「チームの信頼を得た人間がエース」と、この冬は「人の2倍、3倍動くこと」を目標に練習に取り組んだ。あいさつや掃除はもちろん、投手陣に指示を出し、まとめた。
「負けに不思議な負けなし(失敗には必ず原因がある)という言葉があるように、しっかり振り返ってフィードバックしていきたい」。心形刀流剣術の達人、松浦清の言葉に今の思いを例えた。このまま終わるつもりはない。【保坂淑子】
◆春連覇ならず 17、18年大阪桐蔭以来4校目の春連覇を狙った横浜が初戦敗退。前年優勝校の出場は44度目だが、初戦敗退は15年龍谷大平安(0-2浦和学院)以来12度目。12度のうち初戦完封負けは33年松山商(0-3一宮中)と前記龍谷大平安に次いで3度目。横浜は99年春も初戦のPL学園戦に5-6で敗れ、春連覇と夏春連覇を逃している。

