帝京長岡(新潟)の「3番右翼」で先発した川村光翼(こうすけ)外野手(3年)が、2つのチームで甲子園に出場し、初安打を放った。9回裏2死走者なしから、内角直球をうまくさばいて右前へ運んだ。「うれしかった。グラウンドに立った瞬間、すごく緊張したけど、すぐに楽しい場所だなと思いました」と笑みがこぼれた。

24夏に木更津総合(千葉)の1年生として甲子園でベンチ入りを果たした。その後「環境を変えたい。自分の打撃を生かした野球をやりたい」という思いから、25年1月に帝京長岡に転校した。「芝草監督が声をかけてくれた」と感謝する。日本高野連の規定により、転校後1年間は公式戦に出場できない。その期間を経て今春、帝京長岡で聖地に戻ってくる珍しいケースとなった。

試合前日に木更津総合の現主将やエースから「頑張れ」とLINEが届いたという。「今でもつながりがある。応援してくれて本当によかった」と、離れても変わらぬ絆がある。「1回目は先輩に、2回目は今の仲間に連れてきてもらった。次は自分がみんなを甲子園に連れていく。その気持ちだけは忘れずに練習したい」と引き締めた。2つの名門を渡り歩いた、まれな経験を糧に、背番号10は「恩返し」の夏を見据えた。