東北(宮城)が帝京長岡(新潟)を5-1で破り、ダルビッシュ有投手(39=現パドレス)を擁した04年以来、22年ぶりセンバツ勝利を挙げた。三重は、元阪神の麦倉洋一監督(54)率いる佐野日大(栃木)を破り、8年ぶりの春勝利で甲子園春夏通算30勝目を挙げた。英明(香川)はDHを効果的に起用し5-3で高川学園(山口)を下し、3年ぶりの甲子園勝利をつかんだ。
◇ ◇ ◇
東北にとって22年ぶりの春勝利。待ちに待った瞬間だった。昨秋から指揮官に復帰した我妻敏監督(43)は「長かったですね。でもあっという間だった気もします」と言葉をかみしめながら話した。
2回までに4得点を挙げた。初回には2死走者なしから3番進藤が四球。4番矢野が中前打で続き、そこから3四死球と、帝京長岡のエース工藤の不安定な立ち上がりを見逃さなかった。指揮官は「この1勝は、新しい東北高校の流れをつくる大きな1勝じゃないかなと思います」と力強く言った。
今年で創部から122年。かつては甲子園常連校で春夏通算42勝を誇ったが、夏の出場は16年が最後。春は出場しても初戦敗退が続いた。OBらが抱く思いはただひとつ。東北の再建だ。「なんとかこの舞台で、この縦じまのユニホームで大暴れしてほしいというのが学校もそうですし、OBの方々の思いを感じています」。卒業生でもある我妻監督も痛いほど感じていた。
古豪復活へ-。並々ならぬ思いで3度目の監督オファーを受けた。大会前には東北の礎を築いた1人でもある元監督の若生正広さんのお墓参りに行き、手を合わせた。愛弟子は「選手たちと一緒に頑張ってきます」と、天国の恩師に勝利を誓った。
今大会は伝統の縦じまはそのまま、ユニホームのベースカラーを白から、ダルビッシュも着用したアイボリーに戻して臨んだ。歴史を築いてきたOBらを含む800人の応援団が見守るなか、勝利を届けた。通算43勝目は、ただの1勝ではない。長年にわたり紡がれてきた思いでつかんだ勝利だった。「伝統は継承しつつ、新しい歴史をつくっていきたいです」と我妻監督。新たな東北の始まりだ。【木村有優】

