初戦で横浜を破った神村学園(鹿児島)の春が、タイブレークの末に幕を閉じた。優勝候補の智弁学園を相手に、エース龍頭汰樹(りゅうとう・たいき)投手(3年)は延長10回9安打2失点と粘り強く投げ抜いたが、あと1歩及ばなかった。05年以来の8強入りを逃した小田大介監督(45)は「悔しいのひと言。あと1球、あと1本、あとひと声が足りなかった」と、絞り出すように話した。
初戦で横浜を完封した龍頭は、この日も緩急、高低で打者の打ち気をそらした。筑後ボーイズでコーチを務める父真也さん(52)と磨き上げた「直球と変化球で変わらないフォーム」を武器に、智弁打線を翻弄(ほんろう)。タイブレークに突入した10回、犠飛で決勝点を許したが、強豪を相手に一歩も引かなかった。
小田監督は「龍頭はよく投げた。横浜、智弁を相手にこれだけのピッチングができるとは。想像以上に成長してくれた」と、背番号1の奮闘を真っ先にたたえた。
この試合で、球場を最も沸かせたのは梶山侑孜主将(3年)の右翼守備だった。「肩には自信がある」と言い切るその言葉通り、3回には前進ダイビングキャッチ。4、7回といずれも右前打を本塁へストライク返球して得点を許さなかった。だが、打席では終盤のチャンスで智弁学園のエース杉本を攻略できず。「スライダーの曲がりが大きく、低めを振らされた。ベルト線の浮いた球を狙ったが、相手の制球が荒れていたこともあり、待ちきれなかった」と唇をかんだ。「課題だらけ。この悔しさを胸に、夏は日本一を狙いに行く」と再起を誓った。

