<センバツ高校野球:花咲徳栄17-0日本文理>◇25日◇2回戦◇甲子園
日刊スポーツはセンバツ期間中、負けチームにもスポットを当て、「胸張ってイイじゃん」と題して球児たちの奮闘に迫ります。
◇ ◇ ◇
0-17の9回2死一塁。センター方向へ高く上がった飛球を見て、代走の土屋は一塁から三塁まで駆け抜けた。点差を考えれば敗色濃厚は明らかだが「1点でいいから、意地でも取ってやるという気持ちで本気で走っていました」と最大限の力を振り絞った。
チーム随一の50メートル走6・2秒の快足を発揮すれば、外野に飛んだ打球でどこまでいけるか。体の中に染みついた感覚を頼りに無心で走った。飛球は中堅手のグラブに収まりゲームセット。意地の1点は奪えなかったが「初戦は打撃面でチームの中でやってきたことはできた」と手応えも感じた。
ストップウオッチとB5サイズのノートを欠かさない。チーム全体で打球速度の向上を図ることを推し進め、打球が地面に落ちるまでの時間を着目。打撃練習や練習試合に至るまでカバーし、各選手の打撃内容を逐一書き込んだ。
「外野に2秒以内で落ちた打球はヒットになりやすく、3秒打球だとアウトの傾向が高い」「4秒打球はホームラン性の打球になるから、フライを上げるなら4秒以上の飛距離を出そう」。打球によっての傾向を見抜き、データを通じて低く、強い打球を打つ有効性を仲間たちに浸透させた。
数字には強い方だが、実は文系。「タイムキーパーとして継続してタイムを測っていったら、野球の中でデータって本当に大事なんだなと実感して。将来『アナリスト』のような野球に関わるような仕事も楽しそうだなと思えました」と、自分の新たな可能性を見つけた。新潟勢15年ぶりの春の甲子園勝利という確かな収穫を得て新潟に戻る。「次の夏はレギュラーとして、この舞台に戻ってきたい」と誓った。【平山連】

