<高校野球鹿児島大会:鶴丸8-1吹上>◇2日◇1回戦◇県立鴨池

 鹿児島大会が開幕し、県有数の進学校の鶴丸が吹上を8回コールドで破り、開幕星を手にした。エース鎌下晃彰(こうしょう=3年)が8安打を許しながらも1失点と粘投した。

 鶴丸のエース鎌下は、最後まで落ち着いた投球を貫いた。「あんまり調子は良くなかった。最近の練習試合でも安打を打たれる傾向が強くて、今日はバックを信じて投げました」。8回コールド勝ちを、理路整然と振り返った。

 3回まで無安打に抑えていたが、終わってみれば8安打1失点。6回に1点を失い、さらに1死満塁のピンチを迎えたが追加点を許さなかった。4回以降、安打で毎回走者を出しながら最少失点に抑えた。徳重貴久監督(51)は「打たれながらしのいでいくのが鎌下の投球。試合によっては三振ゼロのときもありますよ」と評価した。

 鎌下は高校入学時まで野手だったが、2年のとき紅白戦で好投したのをきっかけに投手へ転向。「最初はけん制も変化球もバレバレだった」と笑うが、昨夏からエースとして登板して経験を積み、冬のトレーニングで体重も6キロ増。「責任は重いけど楽しい」と投手の楽しさがわかってきた。

 学業にも努力を惜しまない。県内有数の進学校で鎌下も国公立大進学志望。練習後には県立図書館で2時間勉強して帰宅。朝も6時に登校して1時間勉強する。「きつくて家に帰ったら寝てます」という毎日だ。

 次はセンバツ8強の鹿児島実との対戦だ。5月の「NHK旗」で鹿児島実と対戦し、中盤まで0-1と互角だったが終盤の失点で0-7で敗れた。「リベンジしたい。自分の持てる力を出して結果を出したい」。横綱を倒して甲子園を目指す。【前田泰子】