<高校野球広島大会:崇徳5-4総合技術>◇24日◇準々決勝

 崇徳の代打の切り札がチームを4強に導いた。同点で迎えた8回1死二塁で、杉浦智哉内野手(3年)が代打で登場した。カウント1-1からの3球目。総合技術のエース左腕伊田の真っすぐを中前へはじき返し、二塁走者住田を生還させた。

 167センチ、65キロの杉浦は「僕は体が小さいから、相手投手が真っすぐで押してくると思った」と言う。大一番にもブレない冷静な読みが値千金の一打を生んだ。采配がズバリ的中した藤本誠監督(31)も「彼は相手投手の右左関係なく代打で打っているので。それにしてもよく打ちましたね」と絶賛した。

 いきなり3点を先制され、追いついては突き放される展開だった。指揮官が「ムチャクチャ強かった」と振り返るほどの強敵にも、ナインは動じなかった。2安打2打点、さらに好走塁で勝ち越しのホームを踏んだ4番住田玄太外野手(2年)は「杉浦さんはアウトになっている印象がない。絶対打つと思って走りました」と胸を張る。

 4強進出は準優勝した06年以来だ。76年以来、3度目の夏甲子園出場まであと2勝だ。【佐藤貴洋】