<高校野球西東京大会:日大鶴ケ丘8-2早大学院>◇26日◇準々決勝

 西東京の「おにぎり王子」だ。日大鶴ケ丘のエース岡孟杜(たけと)投手(3年)が9回138球を1人で投げ切り、チームを2年連続の準決勝進出に導いた。171センチの体を躍動させ、早大学院打線に対し14個の三振を奪った。5安打2失点の好投。「抑えようとしたことが今日の三振につながったのかな」。2-2の6回には「取られた分は自分で取り返してやろうと思った」と勝ち越しの適時打も放った。

 おにぎりパワーで球速がアップした。昨冬から練習の合間ごとにおにぎりを食べ、体重増加を試みた。その数なんと8個。母久美子さん(47)は毎日シャケやタラコといった種類豊富なおにぎりを持たせている。そのほかにも早朝練習後の弁当など学校にいる間にコメだけでも毎日4合以上食べてきた。

 「体重が1キロ増えれば球速だって1キロ増えるんだよ」と母に冗談交じりでつぶやいたという。体重は4キロ増え、現在67キロ。球速は最速145キロまで伸びた。制球力、スタミナも格段に上がり、3月から本大会直前までの練習試合では延べ51イニング連続無失点を記録した。

 次戦は昨年も準決勝で対戦した日大三。途中登板し勝利に貢献したが、挑戦者の気持ちは忘れていない。「点を取られても最少失点で切り抜けたい」。おにぎり同様、V候補筆頭も食べ尽くすつもりだ。